レモン酒、オタ・パヴェル
さわやかで、おいし〜。市販のリモンチェッロに負けてない(個人の感想)。
東京の家で仕込んだ、金柑酒より、好みだ。
果実酒とジャム・マーマレードは、梅やレモンなど酸味の強い果物のほうが、甘みと酸味が拮抗して、断然おいしいと思う(ビワ酒がおいしいという話を聞くのだが、その点、どうなのかとも思う気持ちと、仕込んでみたい気持ちと)。
最近は、朝のパンを減らしているので、マーマレードづくりもしなくなったが、お酒なら順調に消費できるので、国産レモンがもっと出回ったら、残っているホワイトリカーでレモン酒を仕込みたい。
今度のチェコ語講座の、オタ・パヴェル「賢い目のウサギたち」(紀伊國屋書店刊『美しい鹿の死』所収)の予習をしていたら、ある程度まとまった分量を訳してしまったほうが、作品の世界が理解できてきてより訳しやすくなるので、ちょっと時間を割いて訳していたところ、何かなつかしいような切ないような文章に惹かれて、結局、最後までがんばってしまった。
愛すべきダメおやじの話。
東京で、チェコ語を同じ先生に習っていた、とてもよくできる人が、オタ・パヴェルの翻訳を出版したいとがんばっていたのも、よくわかる。
(でも、オタ・パヴェルが精神を病んでいたせいか、登場人物の内面の描写は、ちょっと怖いものがある。)
予習を始めて、仰天したのだけど…紀伊國屋書店版(第1刷)では、その話、
「青い目のウサギたち」
という日本語タイトルになっている。
チェコ語の原題は
Kralici s moudryma ocima
英語に直訳すると
Rabbits with wise eyes
つまり、「賢い目のウサギたち」。
どうやら訳者が、チェコ語の形容詞「moudry(モウドリー/賢い)」と「modry(モドリ−/青い)」を勘違いしたのではないかと、今のところ、思っている(講座のときに、尋ねてみるつもり)。
moudryに「青い」の意味がないか、一応、チェコ語の広辞苑のような辞書で調べはしたけれども…弘法も筆の誤り、なのかなぁ。
しかし担当編集者も、「チェコのウサギの目は青いんだろうか?」という、素直な疑問を持たなかったのだろうか?
(訳者の名誉のために言い添えておくと、亡くなった今でもチェコ語やスラブ言語の世界の偉大な人で、チェコ語が白水社のエクスプレスシリーズに入っているのも、その人のおかげだと思うし、チェコや言語を題材としたエッセイの名手でもあった。)
【追記】第2刷では、「賢い目のウサギたち」となっていた。
https://pbs.twimg.com/media/ET8f9wAVAAEHWtQ?format=jpg&name=large
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