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ミラン・クンデラ「誰も笑わないだろう」(24)

そういうのが、ひとつの会話だった。

そして同じ日の午後、学科の会議のあと、もうひとつの会話があった。

学科長、白髪頭の美術史研究者で、頭のいい男だが、彼に研究室に呼ばれたのだ。
「君の論文だけどね、今度出したやつ、あまりよろしくないね。わかっているといいんだけどね」と先生はぼくに言った。
「はい、わかってます」ぼくは言った。
「うちの教授のだれもが自分に関係づけて考えているし、学長は、自分の見解への攻撃だと思っている」
「どうしたらいいでしょうか」とぼくは言った。
by boyo1967 | 2014-11-15 23:38 | チェコ・中欧・スラヴ | Comments(0)