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世界フィギュアスケート選手権2017雑感

世界フィギュアスケート選手権、今年の男子シングルは、ものすごい闘いになった。
羽生くんのスケートを辛口で見てしまうわたしでさえ、あのフリースケーティングは完璧だったと思った。
そうしたら、宇野くんが意気消沈することなく、肉薄するとは…。
そして、今季、ずっと去年のキレを失っていたように見えたボーヤン・ジンも、いい演技。
いつも、「賢いなぁ」と感心するばかりのことが書いてあるブログ「天漢日乗」さん、

「FSに4回の4回転ジャンプ
は、
 選手生命を縮める元
ではないか。4回転ジャンプは、身体に大きな力が掛かる。
 SPで2回、FSで4回の4回転ジャンプ
というプログラム構成が大手を振っているが、怪我に結びつきやすい4回転ジャンプの数が多すぎるように感じる。
選手を守り、競技に精彩を添えるためにも
 4回転ジャンプの数の制限とそれに変わる構成要素を付け加える
のが必要ではないか」

と書かれていて、なるほど、と一度は思ったけど、でも、
「もう1本、4回転ジャンプを増やせば、技術点のベースバリューを増やせる」
と思ったら、増やそうとするのがアスリートではないだろうか。
それに、もし、4回転ジャンプがバンクーバー五輪前のシーズンのように減ってしまって、観客は心から満足するだろうか?
ただ、もちろん、本当に4回転ジャンプが危険ならば、制限なり禁止なり、するべきだけど…。
(でも、たとえば女性のマラソンだって1970年代前半までは「女性には危険すぎる」として禁止されていたようなこともある。「危険」を理由に4回転ジャンプの回数制限をするというなら、専門家たちでしっかり協議してから決めてほしい。)

とはいえ、「4回転ジャンプだけがフィギュアスケートの魅力じゃないんだよなぁ…」という思いもある。
パトリック・チャンやジェイソン・ブラウンのスケーティングは、素人目にもやはり只事ではないとわかる。
「そんなこと言うなら、シングルのアイスダンス競技をつくれ」と冷たく言い放つ声のあることも知っているけど。

そんなこんなを考えつつ、今回、いちばん印象に残ったのは、パトリック・チャンのショートプログラムだった。
いつものことながら、氷が変わったかと思えるほどの滑らかな動き、小鳥の声が聞こえてくるあたりでは、もう滑っているどころか、まさに飛んでいるようで、
「ああ、ここに本当にブラックバードがいる」
と思った。

現役引退が噂されるミーシャ・ジーも、ショート・フリーともによかった(フリーのあと、氷に口づけしていたから、やはり…)。

女子は、成績はふるわなかったけど本郷理華のフリーで、泣けてきてしまった。
ケガのせいもあるのか、ジャンプが決まらないなか、それでもあまりにも必死で滑っているのが伝わってきて(全然うまくいかなくても、それでもやり続けて、それを終えないといけない、「人生」というものと重なるように思えて)。
アンナ・ポゴリラヤの、フリーがボロボロに終わったあと、氷上にくずおれて子どものように泣いているのも印象的だった。ロシア女子のなかでやっと二番手の地位を固めてきたのに、それが崩れていくことへの恐怖感で泣いているように見えた(モロゾフのプログラム、よく合っているよね)。

あと、くだらない感想としては、デニス・テンくんのコーチに、モロゾフが新たに就いたようだが(フランク・キャロルも継続しているそうだ)、「モロゾフについた男子選手はグレる」という2ちゃんねるの風説によると、来季、テンくんが茶髪になってヒップホップで踊り狂うようなことがあるのかしら、と思ってみたりする(すでに今季、テンくんにしては、キラキラ衣装になっている)。
(そうそう、年末にロシア選手権のテレビ放映を見ていて、岡部由紀子さんだったか小林千鶴さんだったか、モロゾフがまた20歳ぐらいの女性と結婚したと言ったので、仰天したのだった。)

by boyo1967 | 2017-04-01 23:40 | Comments(0)