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テレビとか人間ドックとか

【テレビ】
ずーっと書きそびれていて、今さらなんだけど、NHK BSプレミアムで放映されていたイギリスのドラマ「刑事フォイル」はすばらしかった。
第二次世界大戦中のイギリス・ヘイスティングスという海辺の小さな町が舞台。
戦争中の出来事をストーリーに巧みに織りこんだ、ただの謎解きにとどまらない重厚な物語。
何より、主人公のフォイル警視正が、見た目はとくに美男子でもなく、普通の中年イギリス男性なんだけど、正義感の強い、まっとうな人間性の人で、ときどき気の利いたユーモアを口にして、それこそ「上司にしたい」ような、すてきな人物像が造形されている。
脇をかためる、部下のミルナー巡査部長や、女性運転手のサムなどの人物造型もいい。
これがイギリス的というのか、出てくる人はたいてい、悲しみも怒りも控えめにしか表現しない。けど、時たま、フォイルが見せる、“悪”に対して抑えきれない軽蔑の表情など、わたしの道徳心(というものがあるならば)に刺さってくる。

24日の月曜日の深夜というか、25日の零時すぎというか、テレビのチャンネルを変えていたら、
NHK BSプレミアム「世界ふれあい街歩き 世界一暮らしやすい街 メルボルン/オーストラリア」
NHK BS1「世界のドキュメンタリー オーストラリア 難民“絶望”収容所」
同時間帯にやっていた。
あえて?

今季のドラマでは、倉本聰の「やすらぎの郷」(手練れの脚本にあらためて感心し、八千草薫の女優としての凄みにも感心)とTBS「リバース」(俳優陣が誰も彼も好みでなく、「Nのために」の俳優陣でしてくれたらよかったのにとは思うが、湊かなえ作品はやはりストーリー展開はうまい。そのぶん結末があっけなく感じてしまうのではあるが)を見ている。
あと、再放送だけど、2007年の大河ドラマ「風林火山」。当時、見ていなかったので、真剣に見られる。

NHK BSプレミアムで放送のアメリカの医療ドラマ「シカゴメッド」は第2回を録画して見た。
おもしろかったし、よくできていたけど、シカゴが舞台ということもあり、わたしには“知っている先生が全員異動していなくなった”「ER」のように思えてならなかった(ので、とりあえず録画はやめた)。

「あなたのことはそれほど」は、中学校時代に大好きだった男性・有島と再会した、波瑠演じる美都(みつ)が、既婚であることを隠して有島と不倫関係になったら、実は有島も既婚であることを隠していて…というドラマ。
何かしながらつけっぱなしにしている感じの視聴だけど、美都のアホさが、もういじらしいほどで…。
2回目のラストは、互いに既婚を隠したまま、美都は、親友と旅行に行くとウソをつき(アリバイ協力を依頼された親友は激怒)、有島は妻の里帰り出産を利用して二人で温泉旅行に来たところ、夜になり、子ども誕生の知らせを聞いた有島がなぜか
「子どもが生まれたから帰る、実は結婚してた」
と言い出し、美都は怒って咎めるかと思いきや、嫌われたくない、有島の重荷になりたくないという一心で、
「大丈夫、実は私も結婚してるの」
と告白したら、有島はなんと
「なんだ、よかった」
と笑顔を見せるというみごとなまでのクズっぷり(美都にしたら、「ショックを受けてくれると思っていたのに」というところだろう)。

思うに、美都は、独身時代、恋愛で燃焼し尽くした感のない、「恋愛レベル中高生」のまま。
だから、客観的には、有島にいいように利用されているだけだけど、でも、心のなかに燃焼し尽くされるべきものを抱えていて、そこに熾き火が残っていたり、火がつくような事態になったならば、それは燃やし尽くすしかないんだと思う。
見ないかなー…有島がクズすぎる、それも、まれに見るではなく普遍的なクズだから。

【男はつらいよ】
BSジャパンで毎週土曜、「男はつらいよ」シリーズの放映が始まったので、録画して観ている(第1・2作は残念ながら見逃した)。
第4作『新 男はつらいよ』(1970)のヒロイン、栗原小巻のかわいいのにびっくり。
初登場シーン、雨降りのシーンだったこともあり、『シェルブールの雨傘』(1964)のカトリーヌ・ドヌーブを彷彿させた。
わたしが物心ついたとき、栗原小巻はもちろん美人女優として有名だったけど、子どもごころには、実はよく理解できなかった。母の婦人雑誌で見かける栗原小巻は、わたしの目には、面長でわし鼻、お高くとまっていて親しみやすさに欠けるように見えた。
しかしこの映画の25歳ごろの栗原小巻、ほんとうに、いつまでも見ていたいかわいさ。
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「男はつらいよ」のマドンナって、「とらや」のような日常生活のなかに絶世の美女が紛れこんでくるわけで、場合によっては観客にずっと違和感を抱かせる場合もあるだろうけど、この若き日の栗原小巻の幼稚園の先生は、とんでもない美女でありながら、若さがゆえのかわいさを発散していて、「とらや」」の日常に自然に溶けこんでいた。
それにしてもカトリーヌ・ドヌーブとかジーン・セバーグとか、彼女たち以前に美人女優は何人もいたけれど、世界的な流行となって、女性たちのスタイルの手本、アイコン(icon)になったというのは、やはりフランスの女優ではないだろうか(今なお、年をとってもジェーン・バーキンはその役割を果たしている)。

(…と書いたけど、画像検索してみたら、このときの栗原小巻のスタイルの元ネタは、『シェルブールの雨傘』のカトリーヌ・ドヌーブではなく、『シャレード』(1963)のオードリ・ヘップバーンだったのでは、という気がする。)
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【人間ドック】
婦人科系で漢方クリニックにずっと通っていて、定期的に血液検査をするのだが、昨春、鉄分が異常に多くなって、それが原因かどうか、ある臓器に関わる数値が悪くなっていた。
クリニックの先生に、何かサプリメントを摂っていないかと聞かれ、そのころ、毎日ではないが鉄分入りのビタミン剤を飲んでいたので、それが原因かもしれないということで、飲むのをやめた(元々、わたしの赤血球の値は男性の正常値に食いこむほど高かったので、ほんとうは鉄分入りのサプリメントを飲むべきではなかったのだが、たまたま、普通のビタミン剤より鉄分入りが安くなっていたので、買ってしまっていたのだった)。
それから、その臓器にいいとされる漢方が追加された。
それで、数カ月後に再検査したら、鉄分の値は正常値に戻っていたが、その臓器の状態を確認するため
「念のために検査を受けてくださいね」
と言われたので、人間ドックを受けることにした。

検査日は4月21日(金)。
検便が30年ぶり?もっと?だったので、採便方法についてのプリントを熟読して理解するのに時間がかかった。人間ドックの書類一式が来てから、それを理解するまで、「理解できない」ことがストレスだった。
検尿は、採尿用のビニール製コップがついていたけど、深さが5センチぐらいしかなくて、よくある紙コップより貯めにくかった(いや、入れにくそうだとはわかっていたので、あきらめて家の紙コップに入れればよかったんだけど…)

当日。
元町にある検査専門クリニックへ出かける。
(検査専門クリニックって大嫌い。継続的に関わる「患者」を持たない、お金儲けのためだけに存在する所。スタッフのうわっつらな愛想のよさ。)

男女別のフロアに分かれていた。
受付で書類と提出物を出し、しばし待機。
名前を呼ばれて更衣室のロッカーの鍵を渡され、パジャマのような検査着に着替える(ロッカーに入っていた検査着はMサイズ、サイズが合わなかったらどうするんだろ? 最初の受付時にサイズを予測して、そのサイズの検査着の入ったロッカーの鍵を渡すのかな?)

身長・体重測定、聴力検査。
視力検査で、勘が良かったのか、右目の視力が0.5もよく出ていた。
が、なんの問題もなく次の検査へ。
あ、そうだよね。この人たち、わたしのふだんの検査値を知らないんだもの。
そう思ったら、スーッと気持ちがさめた。
自分の健康状態を知りたいと思って検査を受けに来たけど、ここの人たちでは、だめだ。検査値って、絶対値も大事だけど、どう変化してきたかも大事だと、何かで聞いたことがある。それなのに、この検査専門クリニックは、わたしのふだんの検査値を知らないのだ。

肺のレントゲン写真、採血。

そのあと、医師による問診もあった。
ここ2カ月、右足が痛くて困っているので、それを訴えたら
「増悪(ぞうあく)するようなら専門医へ」
とひと言。
そして、肺のレントゲン写真を見て「異常なし」(そりゃ、肺のレントゲン写真に異常が見つかるようなら、相当悪いだろ)、肥満度も問題なし、ただ、それだけで終わってしまった。
人間ドックの問診なんて、こんなもんなのか。
たとえば、健康に関して何か不安な点はないか尋ねるとか、受診者が更年期ならそれに応じたアドバイスをするとか、ないのか。
ここでさらに「こりゃだめだ」感が強まった。

婦人科の検査(女性医師だった。筋腫持ちだと言ったら、ていねいに診てくれて、この先生は通り一遍ではなかった)。

そして、初のバリウム検査。
粉薬を飲めと言われる。
そのあと、ドロッとした液体でそれを飲みこめと言われる(粉薬を飲むときって、ふつう、先に水を飲んで粉薬じゃないのか。この順番はキツい)。
それから、コップになみなみと入った白いものを飲めと言われる(ビール以外の液体を、こんなに大量に一気に飲むなんて無理)。
それから検査機器にのぼって、ひっくり返れだの、右を上げろ、左を上げろ、と言われる。

検査終了、受付で下剤を5錠渡され、すぐに3錠飲んでくださいと言われた。
更衣室で着替えて、帰宅(下剤は1時間で効いた)。

まーこれだけ文句を言っていても、これで何か重篤な疾患が見つかるかもしれんけどな。
わたしが思うには、こういう検査専門クリニックは機器は最先端でいいかもしれないけど、かかりつけ医で定期的に詳しい血液検査を受けて、検査値の推移をチェックしてもらうほうが、なんぼか役に立つかわからん、のではなかろうか(※個人の感想です)。

by boyo1967 | 2017-04-26 10:04 | Comments(0)