1/1(月)保久良神社に初もうで
「灘の一つ火」と呼ばれる大きな石灯籠が神社の鳥居の前、海を望むようにしてあるのだが、その石灯籠のそばに入らないように玉垣や鎖で仕切られているのに、しゃれたウェアに身を包んだ山おばさん2人組がその鎖を越えて入り込んで、灯籠の足元に座り、結構な時間くつろいで、ピースしながら自撮りしているのにびっくり。
SNSに、さぞすてきなわたしたちの元日、をアップしているのだろう。
日本もいよいよ、もう取り繕いようがないくらい底が抜けてきた、と元日から思わされたことだった。
1/2(火)アキ・カウリスマキ『枯れ葉』(元町映画館)
しょっぱい人生をどうにかこうにか生きている大人たちが、ひとと少しのぬくもり分け合う姿に、しみじみとした。
映画の中で女性ポップ・デュオ「マウステテュトット」が歌う歌詞ではないけど、ほんと50代にもなると、「墓場にさえたどり着けるかわからない」ような心持ちなのだ。
映画のあとはジュンク堂書店で本を買って、三ノ宮駅で御座候も買って、帰宅。
(人生しょっぱい年代になっても、10代、20代のころと、やってること、必要なことは変わらないなと、少し可笑しく思った。)
1/3(水)京街道歩き(石清水八幡宮駅〜中書島)
前回の続きだと、京阪・橋本駅からだが、駅周辺に何もなさそうなので、1駅スキップして、石清水八幡宮駅から歩くことにする。
せっかくだからケーブルカーに乗って石清水八幡宮にお参りしてみようかと思ったが、乗車を待つ人の列が結構長く、参拝は次の機会にして、お昼ごはんを食べることに。
駅前は石清水八幡宮の門前町、観光客相手のお店だろうからと期待せずに「朝日屋」という、サバの棒寿司が名物の飲食店に入ったら、おいしくて、とてもよかった。
棒寿司とうどんのセット1650円。まあまあいい値段だけど、正月値段ということではなく、普段からの値段のようで、でも棒寿司を食べてみると、肉厚の質のいいサバを使っているのがわかり、納得した(うどんはあくまで、関西のやわらかいおうどん。子どものころによく食べたやつ)。
(街道歩きではときどき、こういうことがあって、おそらくわざわざ再訪することはないだろうけど、「よかったなあ」と今でも思い出すお店がいくつか、ある。
伊丹の日本茶屋さん、島本町のカフェ、長岡京のお蕎麦屋さん。)
このあと、宇治川と木津川の合流地点の御幸橋(ごこうばし)を渡り、殺風景な道を歩く(たまに、街道らしい町並みが一瞬現れては、また殺風景に。大規模な区画整理か何か行われたのか)。
淀城跡は、立派な石垣が残っていて、驚いた。
淀本町商店街を抜けると、また殺風景な道。
とはいえ「戊辰役東軍戦死者埋骨地」碑や「史蹟 慶応四年四月 戊辰役東軍西軍激戦之址」標柱があったり、まぎれもなく、歴史の道。
ごみのポイ捨てや、立ち小便などへであろうか、京都弁の警告。
「ちょっとあんた そらあかんで ほら! 見たはるで」
(「私たちは見てるで」でなく、「誰か(神さま?)が見たはるで」というのが、いかにも京都人らしい。)
宇治川大橋のところで歩行者は国道1号を横断できないようになっていて、国道1号沿いにちょっと北上して、また南下して、と遠回りしないといけないのだが、そのあたりで、トイレに行きたくなった。
国道1号沿いに北上しているときにマクドナルドが見えたので、休憩がてら入った(1号線横大路店という店舗だったみたい)。
トイレも済ませて、それから、宇治川を歴史街道推進協議会による地図が示す東高瀬川を渡る橋が渡れなくなっていて、また少し遠回りしたが、ようやく、大きな道路から離れて、京都らしい町並みの道へ出てきた。
伏見だ!
すてきな町並み(灘五郷はやはりこの点、弱いと言わざるを得ない、残念ながら。日本酒の味は抜群だけど)。
キザクラカッパカントリーへ。
お正月の振る舞い酒をいただいたり、あれこれ買い物したり(あのカッパがかわいくて)、楽しかった。
キザクラカッパカントリーのレストランは、予約でいっぱいのようだったので、町を散策していると、なにか雰囲気のいいお店が。
「家守堂(やもりどう)」というクラフトビールのお店。
最近まで営業していた茶屋の建物を使っているそうだ。
「かりがね茶と柚子を使用した家守堂の看板ビール」茶かぶき、おいしかった!
中書島駅から帰宅。
京街道は、伏見から、さらに大津市追分〜大津市京町と続くが、名神高速道路沿いを歩くことが多いようで、これまでも結構、車の道の側道を歩いてきたが、殺風景だわ、投げ捨てごみが多いわで、あまり楽しくなかった。
「逢坂の関」跡など、見たいところもあるのだが、まずは、これで打ち止めとする。
守口市駅そばの「文禄堤」跡や、枚方市立枚方宿鍵屋資料館の建物のすばらしかったこと、その近辺の宿場町の名残が印象深かった。
西国街道が「信仰の道」ならば、京街道は、文禄堤、淀城、と「秀吉の道」だと感じた(「大坂と伏見に城を築いた豊臣秀吉が、文禄5年(1596)、2つの城を最短距離で結ぶため淀川沿いに文禄堤を整備。この堤の道が京街道となりました」(歴史街道推進協議会サイト)のだから、当然なんだけど)。
歩くには、京街道は自動車道沿いになっている箇所が多いのが、ちょっと大変だった。
1/4(木)草乃家でランチ
担々麺セットが食べたかったが、この日はやっていないということだった。
牡蠣フライ定食。おいしかった。
1/6(土)チェコ語勉強会、新年会
1/8(月・祝)京都国立博物館、智積院
レストラン「七番館(ななばんかん)」でランチ。
たまたま入った店だけど、大きなエビフライ定食、おいしかった(コーヒーが付いて2100円)。タルタルソースが柴漬け入りだったような?
京都国立博物館は「新春特集展示 辰づくし―干支を愛でる」。
博物館を出てから智積院へ、襖絵等々、すばらしかった。
この日は時雨がちで、雨に濡れた石畳が光を映し、ことに美しかった。
1/11(木)洋食の藤でランチ
昼休み、藤の隣のパン屋さんにパンを買いに来たら、並んでいる人が4人だけだったので、並んでみたら入ることができた。
デミグラスソースのオムライスを注文。900円。
デミグラスソースたっぷり、卵はふんわりのタイプ。
「中村」の、心地よいほの苦さのあるデミグラスソースではないけど、おいしかった。
今度入ることができたら、ハンバーグ・カニクリームコロッケ・目玉焼きのCセットを注文したい。
1/13(土)坂東玉三郎 初春お年玉公演、和心料理 Takasaki
1/14(日)兵庫芸術文化センター管弦楽団 第147回定期演奏会
指揮;佐渡裕
マーラー:交響曲 第9番
終演後、すぐさまロピーに立って、能登半島地震被災者のための募金を呼びかける佐渡さんの人間力にただただ感心。
ランチはアクタ西宮の「雑魚や」で「紀州産備長マグロ造りと特製豚汁と京風おばんざいと野菜サラダ定食」、1380円。
マグロの造りを自ら注文して食べることはまずないが、これはふんわりした身で、とてもおいしかった。
晩は家で、レモン鍋。
1/18(木)家族亭 神戸駅地下街店でランチ
さほど寒くなかったので、カレー蕎麦にした。
100円引きのクーポン使用で1000円。
1/20(土)iPhoneの機種変更のため梅田のヨドバシカメラへ
お昼は「うどん 兎麦 阪急三番街店」で全部入りぶっかけ。
機種変更は、「わからないことを質問され、決定しなければいけない」ので、ものすごく疲れた。
阪神電車で帰ろうとして、疲れのあまり「阪神バル横丁」にふらふらと入り、CRAFT BEER BASE BRANCHというお店で、ハーフパイントを1杯だけ飲んで帰る。
銘柄は、写真を撮っていなかったのでわからないが、爽やかでおいしかった。
1/21(日)西国三十三所 巡礼の旅(青岸渡寺/阪急交通社)
「西国三十三所めぐりは、死出の旅への準備」という先達さんの言葉に、非常に感銘を受ける。
自分でも、そうと知らずに、死の準備を始めていたとは(さすが50代だわー)。
この旅のことは、またゆっくり書きたい。
朝まで降った雨のために水量も豊かで、いっそう神々しい那智の滝。
水しぶきに、うっすら虹が出ている。
この日訪れた西国三十三所第一番札所、青岸渡寺と隣接する那智大社の別宮、飛瀧(ひろう)神社は、この滝そのものをご神体として祀っている。
1/25(木)草乃家でランチ
担々麺セット。
麺、生麺から乾麺に変えたような気もする?けど(以前は麺にちぢれがあったと思うけど、今日はまっすぐだったので)、ごまの利いたスープも具もおいしく、大満足。1000円。
1/27(土)松井秀太郎 Concert Hall Live(ザ・フェニックスホール)、エル・ポニエンテ
アルバム「STEPS OF THE BLUE」から。
ピアノ:兼松 衆 ベース:小川晋平 ドラムス:小田桐和寛
コンサート後のサイン会を眺めていると、サインは左手でしていらした。
ランチは「三田製麺所」。
コンサート後、少し街歩きをして、晩ごはんは「エル・ポニエンテ」。
コロナ禍で5年近く行けていなかったか。
味は変わらずおいしかったが、ワインリストに記載のワインを頼んだところ、2本連続、品切れ。ディナーはサービス料10%を取る店として、どうしたことか。
1/31(水)樫本大進&エリック・ル・サージュ
シューマン&ブラームス ヴァイオリン・ソナタ・チクルスVol.2
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番
ブラームス、ディートリッヒ、シューマン:F.A.E.ソナタ
クララ・シューマン:3つのロマンス
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第2番
樫本大進さんのただ一音で引き込まれる、つやつやしたヴァイオリンの音色、とても温かいル・サージュのピアノと、すばらしい演奏会だった。
前半はどうもヴァイオリンの肩当てがしっくりこないようで、それでもすばらしい演奏だったが、休憩をはさんで3曲目で問題ないことが確認されたらしく、4曲目は、なんだか神がかったというか、凄みのある演奏だった。
今まで、チャイコフスキーやシベリウスなどの有名どころ以外のヴァイオリン・ソナタは、何をどう聴くべきなのか実はもてあましていたところがあったけれど、今回は、作曲者それぞれの個性が際立って伝わってきた。
ブラームスは、純粋な、美しいもの、才能あるものをひたすら愛するひとで、クララ・シューマンへの愛も、報われなくても、愛がただ喜びだった人ではなかったか。
一方、シューマンは、その内面に狂おしいほどの激情がつねにうねっていて、クララへの愛も、苦悩へと変じて、自らを苛むような人ではなかったか。
そんなことを感じた。
アンコール曲はシューマン「3つのロマンス」より「第2曲 Einfach innig(素朴に)」。
晩ごはんはJR京橋駅近くの「イタリアンSASUKE」。
魚介類の盛り合わせなど、どれもおいしかった。
コロナ禍で多くの飲食店が休業や、早く閉店していたころを思うと、コンサート後にしっかり飲んで食べられるのは、本当にうれしい。
それにしても、京橋の飲食の価格は、お手頃だ。神戸駅周辺よりずっと安い。