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バンクーバー五輪・アイスダンス雑感

アイスダンスの録画を見終わった。アイスダンスをちゃんと見たのは、今回が初めて。
定められた曲(今オリンピックはタンゴ・ロマンチカ)で定められたことをリンクを2周して行う「コンパルソリーダンス」、定められたテーマ(今季は「民族舞踊」)でプログラムを作る「オリジナルダンス」、男子シングルや女子シングルと同様の「フリーダンス」がある、ということも、今回、初めて知った。

いわば「規定」であるコンパルソリーは、つまらないかな〜と思いつつ見たけど、実況の刈屋さんの必死の努力(「どうしても興味が持てないかたは、どうぞ、衣装などにご注目いただいて…」←そこまでして、見てもらおうとしなくても(^_^;)そんなにどうしても興味が持てない人は、そもそもコンパルソリーを見ようだなんて思わないと思うが)のおかげもあり、意外に退屈せずに見られた。上位チームはやはりうまい。

解説はなぜか本田武史くんだったけど、アイスダンスのことにもけっこうくわしいし、いいとか悪いとか見てとるのも速いな〜と感心。刈屋さんが解説の領域へと乗り越える勢いで饒舌にしゃべるので(それもこれも、アイスダンスの魅力を視聴者に伝えたいという一心で…と、想像する)、本田くんの口数の少なさが、かえっていいバランスをつくっていた。

課題の音楽が「タンゴ・ロマンチカ」で、使われたのが3曲ぐらいかなぁ、それを24組分聞いたから、タンゴのリズムもパターンも頭に入って、もうなんだか、タンゴが作曲できそうだ(ウソ)。

オリジナルダンスは、「民族舞踊」というテーマのもと、各組、フラメンコだったり東欧のフォークダンスだったり、プログラムを作る。
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…で、NHK杯のときにニュースで見かけて、仰天した、日本代表のリード姉弟の、「キモノ」衣装となるわけです。彼らのプログラムは、日本舞踊の動きを取り入れたというもの。

コンパルソリーの課題がタンゴやワルツであることから考えると、アイスダンスはヨーロッパのダンスがベースにあるわけで、そのアイスダンスに、日本舞踊を部分的にではなく前面に打ち出してやることに、無理があるよねぇ…。
フランス組がフレンチカンカンをテーマにしたりと、国とダンスが一致していることもあるけど、カナダ組がフラメンコをテーマにしたり、ロシア組がアボリジニダンスをテーマにしたりもしてるんだから、リード組はべつに、「日本」をテーマにしなくてもよかったと思うけど…。
あの衣装を見るたびに、「国辱」という言葉が思い浮かんでしかたがない。
本人たちは、国籍以外はアメリカ人だから、なんとも思わないだろうけど。NHK杯のときは、日本人である母親はなんとも思わないんだろうかと思ったけど、今回、観客席にいるのをカメラがとらえた映像を見ると、見た目、ほとんど非日本人だった。

せめて、レビューで和ものも手がけて、ショーの場での「和」の見せ方を知っている宝塚歌劇団に衣装をデザインしてもらったらよかったのに。
まー唯一の救いは、弟のクリスの両胸の紋の高さが揃っていたことかな。留袖でもそうだけど、あの高さが食い違っていると、不細工なことこの上ない。

フリーダンスは、「ペア」と違って、ジャンプがない。
それってプログラムにメリハリつくのかな?という気がしたけど、ジャンプなしでも、十分に緩急のついたプログラムにどのペアも仕上がっていて、感心した。
ダンスがベースにあるだけあって、動きの引き出しが非常に多いような気がする。
フィギュアスケートの振り付け師に、アイスダンス出身者が多いのも納得だ。

今大会は、アイスダンスが五輪競技として採用された1976年以来、アイスダンス発祥の地・ヨーロッパのチームが独占してきた金メダルを、カナダのペアが獲得して、刈屋さんいわく「歴史的な試合」となったそうだ。
くわしいことはわからないけど、1位のカナダのヴァーチュー・モイヤー組も、2位のアメリカのデイヴィス・ホワイト組も、とーっても、きれいだった(8位ぐらいまでと、その下位とに、グッと差がある感じ)。
曲芸的に女性を放り投げる感のある「ペア」より、アイスダンスのほうが、好きかも。



ニコライ・モロゾフの1998年長野五輪のアイスダンスの動画があったので、貼っておきます(ベラルーシ代表。モロゾフ・ナフカともに22歳)。
照明は、落ちたのではなくて、暗くなっただけみたいだ。
このときの相手の女性(ナフカ)が、モロゾフの当時の奥さんだそうで、その後、ナフカは別の男性と組んで、2006年トリノ五輪アイスダンスでロシア代表として金メダルをとったそうだ(このときナフカ30歳)。
人に歴史あり(モロゾフってまだ34歳なんだ…)。
by boyo1967 | 2010-02-23 23:46 | Comments(0)